税理士に相談する際の料金相場は?料金相場と税理士選びのポイント紹介

税務調査の流れ

個人事業主として事業を展開する際や、会社を経営する際に必ず必要になるのが税理士です。

新しい税理士を探したい、より良いサービスを提供してくれる税理士を探したいと考えている方も多いのではないでしょうか。

今回は、税理士を選ぶ際に気になる費用についてまとめました。

税理士に相談する際の料金体系

まずは、税理士に相談する際の料金がどのように算出されるのかを確認しておきましょう。

相談料は、税理士の人件費で構成されています。多くの税理士事務所では、30分~1時間あたりの相談料を設定しており、相談時間(=税理士の拘束時間)が長くなればなるほど、相談料が高くなります。

資金調達のためのコンサルティングなど一部の例外を除き、相談内容によって料金が変わるケースは少ないです。

最近では、チャットなどで相談できる税理士も増えており、こうしたサービスを有効に活用すれば、限られた時間内でも具体的なアドバイスを受けられます。

さらに、顧問契約を結ぶことで、記帳代行や給与計算などのサポートを受けながら、記帳や節税対策などの相談に乗ることも可能です。

単発コンサルティング

メール、電話、対面などで連絡を取り、会計処理、確定申告、相続などの相談を受ける。税理士事務所によっては、税理士の出張は近隣の地域のみという場合もあります。

相場は、30分までの相談で5,000円、1時間までで10,000円前後、1時間以降は30分ごとに3,000~5,000円追加です。

上述のとおり、相談の種類(税務、相続、会計など)によって金額が変わることはほとんどありません。

かつて税理士の報酬規定では、1時間まで一律2万円と定められていたが、2002年に報酬規定が廃止され、全体の料金相場は下がっています。

また、若手税理士の事務所では、初回に限り、チャットなどによる無料相談を実施しているところもあります。

ただし、この無料相談は、税金の枠組みの中での一般的な回答にとどまっているケースが多いです。

例えば、『法人税の申告に必要な書類は何か』といった質問には答えてくれますが、『何をどこまで経費として計上できるのか』『いくらまで経費として計上できるのか』『法人税はいくら払えばいいのか』といった質問はかなり調査が必要で、無料では答えられないことが多いのです。

これらの質問には、無料で回答することはできません。これらの質問に無料で回答できることはまずありません。

顧問契約

顧問契約とは、個人事業主や法人が、税務や会計に関するあらゆる相談や助言を、毎月一定の料金で提供する契約のことです。

事業規模によって、月額2万円〜10万円の報酬が相場です。相談頻度は月1~2回が一般的で、それ以上は追加料金が必要な場合もあります。

一方、税理士事務所の中には、記帳代行や給与計算を月々の固定費内で行っているところもあります。

このサービスをうまく利用すれば、税務や会計のアドバイスを受けながら、経理や総務などのバックオフィスのコストを削減することができます。

コンサルティング

コンサルティングとは、節税対策や相続などの一般的なアドバイスにとどまらず、中長期的な資金調達や財務の仕組みづくりを扱うサービスです。

大手税理士法人のほか、社労士や行政書士を擁する会計事務所グループでもこうしたコンサルティングを行うことが多いです。

料金は、事業規模や案件によって異なりますが、一般的には10万円前後の着手金からスタートします。

例えば、金融機関からの資金調達の場合、10〜20万円程度の着手金と、資金調達が成功した場合の成果報酬(融資額の2〜3%が一般的)が発生します。

見落としがちなコストに注意

出張相談の場合、税理士の交通費・宿泊費は依頼者の負担となることに注意が必要です。

また、前述のようにコンサルティングには成果報酬が発生することが多いので、事前にしっかりと予算を立てておくことが重要です。

税理士の相談料相場

次に、依頼内容ごとの年間売上高と相場について説明します。具体的な企業規模や受けるサービスによって、費用がどの程度変わるのかを見ていきましょう。

年商2,000万円前後の企業が税理士に単発で相談する場合

年商2,000万円前後の企業で、従業員数人が月に2~3回、記帳や会計ソフトの利用などについて税理士に相談する場合、一般的な価格帯は月2万円~3万円程度となるようです。

この価格帯でも、相談時間が長くなればなるほど料金は高くなるので、事前に相談事項をメモしておくか、過去の会計帳簿を見せて説明するとよいでしょう。

また、決算の進め方について相談するのは得策ではありません。論点が明確であればあるほど、税理士は対応しやすく、具体的なアドバイスがしやすいです。

売上や従業員の増加に伴い、会計帳簿や台帳は複雑化し、時には業務に支障をきたすような問題が発生することもあります。

その都度、税理士に相談するのは非効率ですので、定期的にアドバイスを受けられるよう、あらかじめ顧問契約を結んでおくことをおすすめします。

年商3,000万円~5,000万円の会社が顧問契約を結ぶ場合

年商3,000~5,000万円程度、従業員5~15人程度の企業が税理士と顧問契約を結んだ場合、月額35,000~45,000円程度が一般的な報酬となります。

この料金で、月に1〜2回の相談や記帳代行まで行っている税理士事務所がほとんどです。

ただし、年末調整や決算書の作成などをオプションサービスとして提供しているところもあるので、自社の人員構成や会計士のスキルなどを考慮し、自社に合ったサービスを提供している税理士事務所を選びましょう。

年商1億円前後の企業がコンサルティングを依頼する場合

前述の通り、大手税理士法人や会計事務所グループでは、一般的な顧問契約にとどまらないコンサルティングサービス(資金調達や財務支援など)を行っています。

年商1億円程度、従業員30人程度の企業が金融機関から融資を受けるためのコンサルティングを依頼した場合、初期費用(着手金)は15万円~25万円程度となります。

また、融資を受けることができた場合は、これに成功報酬(一般的に融資額の2〜3%)が加算されます。

弊社では顧問契約に加えて、経営相談も合わせて行っています。税理業務に加えて経営の最適化をしたい方はお気軽にご相談ください。

税理士相談料の適正相場を判断するポイント

税理士報酬が安いからといって、必ずしも満足できるものではありません。金額が安いということは、どこかに費用が発生しない(=税理士の業務に含まれない)ポイントがあるはずです。

つまり、自分が望む仕事を依頼したいのであれば、適切な税理士の報酬を見極めることが非常に重要ですので、以下にポイントをご紹介します。

税理士に何を依頼するのかを明確にする

まず、依頼をする前に、どの業務を税理士に依頼し、それ以外の業務は自分で行うのかを明確に決めておくことが大切です。

何をするのかが分からないまま依頼すると、無駄なコストが発生する可能性が高くなります。

顧問契約に含まれるサービス内容を確認する

税理士と顧問契約を結ぶ際には、顧問契約にどのようなサービスが含まれているのかを確認しましょう。

顧問料が安いと思っていたら、後から追加料金が発生するケースも十分にあり得ます。

なるべく細かく料金を確認する

そして、よく言われることですが、報酬を細かくチェックすることです。しつこいくらいがちょうどいいのです。

弊社ではさまざまな業務範囲を包括的に対応しています。無料で相談も受けているため、経理や経営問題でお悩みの方はお問い合わせください。

税理士を選ぶ際の留意点

税理士に相談したり、仕事を依頼したりする場合、自分に合った税理士を選ぶことが成功のポイントです。

税理士を選ぶ際には、いくつかの基本的なポイントを踏まえて慎重に選ぶことが大切です。ここでは、税理士を選ぶ際のポイントとして、「資格・実績」「サービス内容」「相性」の3つを紹介します。

実績を見る

税理士は経験がものを言う職業の一つであり、実績のある税理士はノウハウや知識が豊富である可能性が高いです。

経験豊富な税理士に相談することで、効果的かつ適切なアドバイスを受けられる可能性が高くなります。そのため、税理士を選ぶ際には、実績のチェックを忘れないようにしましょう。

得意分野やサービス内容を重視する

税理士を選ぶ際に、金額よりも重要なのは、提供されるサービスの内容です。

税理士によっては、法人に強い、相続に強い、確定申告に強いなど、得意な分野がありますので、相談する前に確認しましょう。

相続の分野では経験豊富で業界では有名な税理士でも、確定申告はほとんど扱わないということはよくあります。

税理士との相性

最後に、プロの税理士といえども人間ですから、少なからず「相性」というものがあります。初回相談後に相性が悪い税理士と仕事を続けてしまうと、お互いにストレスが溜まってしまうかもしれません。

相性があまり良くないと感じたら、早めに税理士を変更する決断力が大切です。

税理士相談料の見直しと交渉

顧問料が高いと感じる場合、ほとんどの税理士事務所では顧問料の減額交渉が可能です。

前述したように、税務顧問料は会社の規模によって決まることが多いです。

売上に大きな変動があれば、顧問料の交渉も当然に発生します。

しかし、売上の変動や財務状況の悪化ではなく、経営者の主観で『コストに見合わない』と判断され、減額交渉が困難な場合もあります。

税理士事務所が考える対価と経営者自身が考える適切な顧問料に乖離がある場合は、税理士事務所を変更することも検討してみてください。

おわりに

税理士事務所の顧問料が高いと感じるということは、その顧問料に見合ったサービスを受けていないと感じている証拠です。

この直感に着目し、税理士事務所を変更することで、費用とサービスのバランスを改善することができます。

なぜなら、自社に最適な税理士を納得のいく価格で利用することが、企業の成長には欠かせないからです。

今より良い税理士を見つけるのは簡単ではありませんが、失敗しない税理士選びのハウツーを参考に、ぜひご自身にあった税理士を見つけてください。